最近ちょくちょくあるご相談です。誤解のないようにお伝えすると弊社のフードはオイルコーティングしてません。相談はオイルコーティングしている他社メーカーさんのフードを与えているお客様からの相談です。ドッグフードを湯がいてあげるのかな?お話をお伺いしているとふやかして与えると言うのとは少し違う様です。 「ドッグフードの酸化した油がワンコの身体に悪いと聞いてオイルコーティングしているフードは油を落としてから与えた方が良い」とどこかで聞いたそうです。なるほど、なんか良さげですが、うーんどうなんでしょう。結論から書くとそんな油脂の酸化が気になる様なフードは与えない方が良いと思います。酸化は何も油だけではなく、肉や魚、穀物、豆、芋、全ての食材に起こります。一度冷静によく考えてみて下さい。私にはそこまで油が悪いと気になるフードを無理矢理湯煎してでも愛犬に与える意味がよくわかりません。私なら絶対に与えません。本当に油が劣化しているフードは油だけの問題ではなく、原材料の品質や製造方法、品質管理、メーカーのポリシーにも不信感が出るのではないかと思いますが湯煎するだけで安心できるのでしょうか?人間で例えると、油の回ったベタベタした古い食べ物をサッと湯通しして油を落として「さあ悪い油は湯通しして落としたので食べて下さい。栄養は満点ですよ」と言われたようなものです。貴方は食べるでしようか?私ならお断りします。意外と自分に置き換えたら違和感がある話も、ワンコの話だと「なるほど」なんて納得してしまっている事はないですか?ドッグフードは基本的に人間のエゴから生まれた産物です。栄養バランスを考えなくても良い日持ちして使いやすいですが、そのエゴの産物でも少しでもマシな食べ物を作りたいと足掻いていると言うのが正直な私の心境です。 「ペットの栄養学に基づいて作った総合栄養食」と言っても人工的な単一の食べ物だけで一生生きていける食べ物は人にはありません。もしくは仮に出来たとしてもその食べ物を一択で一生食べ続ける人はいないのではないでしょうか。だから傲慢にならず、真摯に向き合ってドッグフードと言うカテゴリーの中で出来る限り愛犬の健康の為にベストを尽くしたいと考えています。話が逸れてしまいましたが、お答えとしては「私なら湯通し?湯煎?云々の前にそんな油の酸化が気になるようなフードは与えない」こんな感じです。 【以下は蛇足です】そもそもなぜ油がベタベタっとなるオイルコーティングが必要なのか?オイルコーティングしているフードはエクストルーダーと言う機械を使って作っています。エクストルーダーを使ってつくったかどうかを知りたい時は水に浮かべてみると分かります。エクストルーダーで作ったフードは水に浮きますので一度試してみて下さい。基本的に一日に数十トン以上の大量生産する場合、多くはこの機械を使用しています。また、大量に作ると言う事は毎日大量の原材料を消費します。基本は全て粉もの(乾燥材料)で作り水分調整をして作ります。つまり、生肉をミンチにしたり鮮度を落とさない様に品質の不安定な生肉を大量に使用するのは現実的には難しいと言うことです。高温高圧をかけて作るのでビタミン類はほぼ熱で損失してしまいます。最初に油脂を含んだ原材料を高温高圧で加工してしまうと酸化がかなり進んでしまいます。乾燥も高温で短時間で乾燥させるのでさらに酸化が促進されてしまいます。ですので油は最後に吹きかけるのですが、その時熱で損失したビタミン類も一緒に添加し補強し、高温高圧で加工したフードの酸化を抑える為にエトキシキンなどの酸化防止剤を使用します。エクストルーダーでの製造を私は否定しません。しかし、エクストルーダーで作る事(高温高圧加工)で、酸化防止剤を使いたくないので悪戦苦闘しながら今自分達で作っています。もちろん、今私達が作っている方法にもメリットとデメリットがあります。デメリットとしては結果的に高コストのドッグフードになってしまうので、スケールメリットが出ないのが最大の弱点です。私が尊敬している無添加フードメーカーさんも1日に5トン作るのに100人近く働いていると聞いた事があります。エクストルーダーを使ってフルオートメーションした場合、人件費は半分以下で製造量はその倍以上は可能になると思います。エクストルーダーを使ってエトキシキンを使用しないでオイルコーティングした場合、もしくは油脂を始めから配合して加工し、オイルコーティングを意図的にしない事ができた場合、出来上がったドッグフードは激しく酸化が進んでしまう可能性もあり正直怖いです。これだけ叩かれているのに大手メーカーがエトキシキンを使う理由、それは油脂の酸化がエトキシキンよりも健康を害するからです。裏を返せば油脂の酸化が手に取ってわかるくらい酷いフードは湯煎するとかしないとか言う問題の前に避けた方が良いと言うのはそう言う事です。

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